defeat は contranym かな -🎭-#つぶやき英単語 1801

(2022.11.13)

contranym は、 merriam-webster.com での説明によると
a word having two meanings that contradict one another
「相反する二つの意味を持つ単語」
だそうです。

僕はこれまでなぜかdefeat という単語を自信をもって使えなかったのですが、
これ contranym だからなんだと思います。

名詞のdefeat を辞書で見ると
『(相手を)打ち負かすこと、打破 』 
『負け、敗北、挫折、失敗』
の両方の意味が出ています。
(勝ちなのか負けなのか、どっちなの?)

例えば、このように勝っても負けても使えるわけです。
Their defeat of the Springboks took the world by surprise.
「彼らがスプリングボクスを打ち負かしたことは世界を驚かせました」
  (これは2015年のラグビー日本代表、南アに逆転勝ち)

I was really disappointed by the defeat against England.
「イングランド戦の敗北は本当に残念でした」
   (これ2022年11/13の日本代表。イングランドにコテンパンにやられた。)

defeatは動詞で使うこともできて、その場合は『(敵・相手を)打ち負かす』の意味になります。
例えばこんな感じ。

I expect the Japanese team to defeat the French team in their next match.
「私は日本チームが次の試合でフランスを打ち破るのを期待します。」
   (本当に次の11/20はフランス戦がんばって。)

なんか、例文書いてたら、defeat も使えるような気がしてきました。

ハートフル・heartful・hurtfulの三角関係―🙈-#つぶやき英単語 1781

(2022.10.24)

カタカナ語のハートフルは「心からの、心温まる」などの意味でよく使われてますね。
でも、Webrio によると、ハートフル heartful は和製英語なんですって。

Webrioにそう出ているなら、英語としてheartful という単語が無いのかと思うじゃないですか。

ところが、無いこともないみたいなのです。

One look dictionary search という複数の英英辞典が引けるサイトでheartful を引くと、ごく限られた辞書には載っているようです。

例えば、Merriam-Websterでは heartful の定義が出ていました
  Definition of heartful:full of heartfelt emotion
 「heartful の定義:心からの感情に満ちた」

でも、他の多数の有名な辞書、Oxford や Cambridgeなどには heartful は出ていないようなのです。

なので、heartful という英単語は有るには有る。でも、有名な辞書でも出てるものが少ない・・・・。
ということは、実際あまり使われない単語と考えられます。
(Weblioが和製英語というぐらいですから)

実は、ハートフルとカタカナで書けるような英単語が他にもあります。
その hurtful は『(肉体的・精神的に)苦痛を与える、有害で』の意味です。
日本語のハートフルとは全く違って、むしろ逆の意味に近い単語ですね。
hurtful の方は主な英英辞典にはみんな出てますから、よく使われる単語なんです。

これは使う立場としてみると
hurtful『苦痛を与える』に聞き間違えられる可能性があるとしたら、『心からの』の意味でheartful を使うのリスキーですよね。
(heart 『心』は発音記号でhɑrt で、 hurt 『けがさせる』が hə́ːrtですから、発音は違いますけど。)

なので、
日本語のハートフル『心からの、心温まる』に相当する英語としては、heartfelt や heartwarming を使う方が望ましいと思われます。
heartful には悪いけれど、使わない方が無難と言っておきましょう。

でもまあ、書くのなら誤解はされにくいので、ここではあえてheartfulhurtfulを合わせて使ってみましょう。
He said heartful words, but she took them as hurtful.
「彼は心のこもった言葉を発したが、彼女はそれを傷つける言葉として受け止めた。」 
ちなみにこの文も
He said heartfelt words, but she took them as hurtful.
の方が普通かもしれません。

最後に、ハートフルという言葉を使った耳あたりのいいキャッチフレーズがありますが、内容を理解せずに信用するのはやめときましょう。
へたに信じて痛い目を見てから、ハートフルがhurtfulのことだったと分かるかもしれませんし。

lumbagoは腰痛-🏥-#つぶやき英単語 1773

(2022.10.16)

lumbago は 『腰痛』で、発音は lʌmbéigou (ラムベイゴウ)です。
ラテン語由来なので医学用語っぽいですね。

Wiktionaryの説明では
Backache of the lumbar region or lower back, which can be caused by muscle strain or a slipped disc.
「筋肉疲労や椎間板ヘルニアなどが原因で起こる背中の下部や腰部で起こる痛み」
だそうです。

この説明文中の lumbar が『腰の』なんですね。
(これ、lumber 『材木』と一字違いで紛らわしいので注意です。
発音もlʌ́mbərで同じです。)

『腰痛』はlumbago 以外では、low back pain とも言えます。
backache も『背中の痛み』ですが、たいていは『腰痛』を指します。
a bad back も同じように『腰痛』の意味で使われるようです。

使ってみましょう。
Ichiro has been hospitalized for acute lumbago since yesterday.
「一郎は急性腰痛症で昨日から入院しています。」

His father has also suffered from low back pain for many years.
「彼の父親も腰痛を長年患っています。」

His brother has a bad back and doesn’t play golf anymore.
「彼の兄は腰が悪くて、もうゴルフはしません。」

His mother and sisters always complain of backache.
「彼の母親や姉たちは、いつも腰痛を訴えています。」

But his 90-year-old grandfather has no back problem at all.
「でも、彼のおじいさんは90歳でまったく腰に問題がありません。」

(昔の人でもピシッと姿勢の良い方がいらっしゃいますからね。)


rob と steal の違い―😎-#つぶやき英単語 1754

(2022.9.29)

rob steal は、奪うとか盗むという似たような意味の動詞ですが、
使い方が違うんですね。そこのとこ押さえておきましょう。

rob では、
Lupin robbed the queen of the jewel. 
「ルパンは女王から宝石を奪った」のように、
rob +(被害者)+ of +(盗まれた物)の形になります。
   
一方、 stealは、
Lupin stole the jewel from the queen. 
「ルパンは女王から宝石を盗んだ」のように、
steel + (盗まれた物)+ from + (被害者)の形で使います。

受け身では、それぞれ
The queen was robbed of the jewel by Lupin.
The jewel was stolen from the queen by Lupin.
のようになります。

また、意味の上でも
rob が『奪う、略奪する、強奪する』なのに対し、
steal は『盗む、こっそり取る、うまく手に入れる』なので
少し違いは有ります。
rob :強盗、 steal:コソ泥ぐらいのイメージで覚えておけばいいかもしれません。



aural と oral って紛らわしくないですか?-🙈-#つぶやき英単語 1737

(2022.9.15)

今日、気になった英単語:aural oral の件

aural は『耳の、聴覚の』で、
oralは『口の、口部の、口頭の、経口の』などの意味です。
両方とも形容詞で、顔のパーツ耳と口に関係する意味なので、
かなり紛らわしいかもしれません。

発音については
耳関係のaural が、 ɔ́rəlかɔ́ːrəl(オラルかオーラル)で、
口の関係のoral が、ɔ́rəlかɔ́ːrəl(オラルかオーラル)です。
・・・同じですね。
やっぱり、紛らわしい!

ちなみに
aural の語源はラテン語で、 auris 「耳」に形容詞を作る接尾辞-alがついた形です。
oral の語源も、ラテン語でos「口」に-alがついてできています。

これらを使う時にも、いろいろ紛らわしいことが起こりそうです。
例えば、
aural surgeon は『耳科医』で、oral surgeon は『口腔外科医』です。
これは聞いても、どっちか分からないのではないでしょうか。

まあ、相当紛らわしいのは確かなので、注意を要する単語として両方覚えておく方がいいと思います。



warrior と worrier -🗡️-#つぶやき英単語 1717

(2022.8.23)

オンライン英会話のレッスンで、
warrior 『戦士』とworrier『心配性の人』が両方出てくる文章を読む羽目になり、
発音が同じでないというのは分かりますが、なんだか混乱して・・・。

ここで確認しておくと
戦士のwarrior は発音記号だとwɔ́rjərで、ウォリアーのような発音です。
これに対し、心配性の人のworrier はwə́ːriərで、ワーリアに近い発音ですね。
(wa がウォで、woがワになるのは、ありがちです。)

せっかくなので、二つの単語が入った例文を書いてみました。
ついでに、wをマシマシで。

We were worried the warrior was a worrier.
「私たちは、その戦士が心配性なのを心配していました」

声に出して読んでみてね。

August じゃない augustは?―👑-#つぶやき英単語 1706

(2022.8.12)

英語の月の名前は大文字から始まるのは常識ですね。
8月は August で、これを august と書いたら単純な間違えですね。

ただ、実は小文字始まりのaugust もちゃんと辞書に載っている単語で、
『(畏敬の念を起こさせるほど) 威厳のある、堂々たる』という意味の形容詞だそうです。

augustness はその名詞で、『威厳があること、堂々たること』を意味します。
これらの語源は「立派な」の意味のラテン語だとか。

使ってみましょう。
The people lost their words at the sight of the prince’s august appearance.
「人びとは王子の威厳のある姿を見て言葉を失った」

His augustness attested to his royal lineage.
「彼の威容は王家の血筋を証明するものであった」

まあ、「威厳」ならdignity 、「威厳がある」ならdignified や majestic などの方が一般的な気がしますけど。

trimer と trimmer -🙈-#つぶやき英単語 1701

(2022.8.7)

えーっ、最近書いたNo.1998の中で、ちょっと typo がありまして、
爪切りの言い方の一つ nail trimmer を、mが一つしかないtrimer と打ってました。
こそっと直しました、ごめんなさい。

でも、スペルチェックに引っかからなかった気がするんですけど・・・。
それもそのはず。
mが一つのtrimer という単語は実在してて、辞書にも載ってるんです。
(このように間違えたスペルが、他の意味の単語と偶然同じになった場合には、当然スペルチェックでは抽出されません。単語として有るんですから。)

trimer は化学用語で『三量体、トリマー』。同一分子が3個結合してできた化合物のことだそうです。
元になる分子である単量体 monomer が2つ重合したのが二量体 dimerで、3つが 三量体 trimer なんですと。また、このような数分子が重合した化合物をまとめて、オリゴマーoligomer と言うとか・・・・。

ちなみに、
三量体のtrimer の発音は、 tráimər (トゥライマ)で
刈込用具のtrimmer は、trímər (トリマ) なので、違うんですね。

なんだ、リスニングなら間違えなかったのに。
いや、すみませんでした。

関連投稿→summary と summery

ovate と ovation の関係は?-⚾-#つぶやき英単語 1658

(2022.6.24)

ovate と ovation という二つの単語の関係は?

例えば、
abbreviateは『略する』で、abbreviation は『省略、略語』です。
これは動詞にtionがついて関連した意味の名詞が出来ているわけで、
この両単語は人間で言えば親子か兄弟みたいな関係だと思います。

では、同じような形の ovate と ovation だとどうでしょうか。
実は、ovate と ovationは意味的に無関係なのです。
ovation は 『大かっさい、熱烈な歓迎』の意味です。
ところが、ovateは 『卵形の』の意味の形容詞で、ovation とはこれと言って関連が有りません。
人間に例えるなら、この二つの単語は「他人の空似」みたいなものです。
この形で無関係っていうのが、ちょっと紛らわしい感じですね。

Angels の大谷選手の最近の活躍すごいですね。
ホームラン2本打って8打点の翌日は、投げて8回無失点、13奪三振とか。
球場の観客も、みな立ち上がって拍手してました。
それを見て、
「 standing ovation のovation にはもとになる動詞か何かあるのか?」
と気になって調べたら、こんな結果でした。

英語で「がけっぷち」は?-🌊―#つぶやき英単語 1591

(2022.4.19)

今日の表現 『がけっぷち』 brink of a cliff 
Weblioで調べたらこれが出てきました。brinkの代わりにedge でも同じような意味になります。

cliff は『崖、絶壁』で、brink が『(崖などの)ふち』なので、合わせて『がけっぷち』ですね。
実は、brink だけでも『がけっぷち』の意味になります。また、brink には『瀬戸際』という意味も有ります。

例文です。
Please take a picture of me standing on the brink of the cliff.
「崖っぷちに立つ私の写真を撮ってください」
  (インスタ映えもほどほどに。安全第一です。)

The company was on the brink of bankruptcy.
「その会社は倒産の瀬戸際にあった」
  (これもがけっぷちですね。)

崖っぷちのイラスト(棒人間)

なお、このbrink 『がけっぷち』と blink『まばたき(する)』 は、RとLの一字違いですから混同しないようにしましょう。