「〇〇酸」の英語いろいろ―🧪―#気になる英語調べ隊 2694

(2025.6.8)

塩酸や硫酸などを英語で言いたい時に「何だっけ?」と思わなくていいように、自習をしておきましょう。

『酸』は acid ですから、「 ~ 酸」は ~ acid ということになります。

acetic acid 酢酸

amino acid アミノ酸 
 essential amino acid 必須アミノ酸

boric acid ホウ酸

butyric acid 酪酸

carbolic acid 石炭酸

carbonic acid 炭酸

chromic acid クロム酸
 dichromic acid 重クロム酸 

citric acid クエン酸

fatty acid 脂肪酸
 saturated fatty acid 飽和脂肪酸
 unsaturated fatty acid 不飽和脂肪酸

formic acid ギ酸(蟻酸)

glutamic acid グルタミン酸

hyaluronic acid ヒアルロン酸

hydrochloric acid 塩酸

hydrocyanic acid 青酸 (=prussic acid)

hydrofluoric acid フッ化水素酸

inosinic acid イノシン酸

lactic acid 乳酸

linolic acid リノール酸

nitric acid 硝酸

nucleic acid 核酸
 ribonucleic acid(RNA) リボ核酸 
 deoxyribonucleic acid(DNA) デオキシリボ核酸

oleic acid オレイン酸 

oxalic acid シュウ酸

phosphoric acid リン酸(燐酸)

picric acid ピクリン酸

salicylic acid サリチル酸

silicic acid ケイ酸(珪酸)

sulfuric acid 硫酸

sulfurous acid 亜硫酸

tartaric acid 酒石酸

uric acid 尿酸

等々

化学でも生物関係でも、いろいろな酸が出てきますので、
英語名も覚えておいて損は無しですね。

ノエル団長の言葉から:「加水分解」の英語―🪛―#気になる英語調べ隊 2683

(2025.5.4)

『加水分解』は hydrolysis

辞書サイトのTHE FREE DICTIONARY BY FARLEX での説明では
hydrolysis
The reaction of water with another chemical compound to form two or more products, involving ionization of the water molecule and usually splitting the other compound.
「加水分解
水と他の化合物が反応して2つ以上の生成物を形成することで、
水分子のイオン化を伴い、通常は他の化合物を分解する。」

The surface of old plastic products may become sticky due to hydrolysis.
「古いプラスティック製品の表面が加水分解によりべたべたになることがある」

ホロライブの白銀ノエルさんが配信で
「姫森ルーナさんの持っているスターウォーズ関係のお宝、”ジャー・ジャー・ビンクスのドリンクカップ・ホルダー”のプラスチックが加水分解でべたついていた」と言ってました。
これ、1990年代にKFCでもらえたものらしいので、まあ加水分解しても不思議ではありません。

樹脂製品の加水分解によるべたべたは、無水アルコールで拭くとか、重曹水で拭くとかするととれる場合が有るようです。

僕も最近、工具の樹脂部分で加水分解 hydrolysis が起きて、握る部分がべたべたになることを経験しました。これホントに手触りが気持ちが悪いです。
樹脂用の保護艶出し剤で拭いたら、ちょっとましになりましたけど。

(関連投稿→白銀ノエルさん関係


「蒸留」の英語は?-💧-#気になる英語調べ隊 2651

(2025.2.28)

『蒸留』は英語で distillation と言います。

『蒸留する』の意味の動詞は distill あるいは distil です。

Cambridge dictionary のサイトでの distil の説明
to make a liquid stronger or purer by heating it until it changes to a gas and then cooling it so that it changes back into a liquid:
「液体が気体に変わるまで加熱し、その後冷却して液体に戻すことで、液体をより濃く、より純粋にすること」となっていました。

『蒸留水』は distilled water
『蒸留酒』は distilled liquor や distilled spirit のようになります。
(単に liquor や spirit でも蒸留酒の意味になるようです。)

また『蒸留器』はdistiller や still と言うそうです。

ゾルとゲルの英語-🧪―#気になる英語調べ隊 2641

(2025.2.15)

Wiktionaryでの説明で、
化学用語の『ゾル』 sol は、
A type of colloid in which a solid is dispersed in a liquid.
「固体が液体中に分散しているタイプのコロイド」
のようになっています。

これに対して『ゲル』 gel は、
A semi-solid to almost solid colloid of a solid and a liquid, such as jelly, cheese or opal.
「ゼリー、チーズ、オパールなど、固体と液体からなる半固体からほぼ固体のコロイド」だそうです。

要するにコロイド溶液が流動性を保った状態が『ゾル』sol で
これが流動性を失ったものが『ゲル』gel ということですね。

ゾルに変化する『ゾル化』は solation で、
逆にゲルになる『ゲル化』は gelation や gellingと言います。

例文です。
Gelatin and agar are used as gelling agents for sweets.
「スイーツ用のゲル化剤としてゼラチンやアガーが用いられている。」

「定性分析」と「定量分析」の英語は?-🧪-#気になる英語調べ隊 2633

(2025.1.28)

英語で『定性分析』は qualitative analysis と言います。
qualitative は『質的な、定性的な』

辞書 Merriam-Websterでの qualitative analysis の説明
chemical analysis designed to identify the components of a substance or mixture
訳「物質や混合物の成分を特定するための化学分析」
のようになっています。

これに対し『定量分析』は英語で quantitative analysis です。

Merriam-Websterの説明で、quantitative analysis は
chemical analysis designed to determine the amounts or proportions of the components of a substance
訳「物質の成分の量または比率を測定するための化学分析」です。

例文です。
What this EDS (Energy Dispersive X-ray Spectroscopy) can do is qualitative analysis, not quantitative analysis.
「このEDS(エネルギー分散型X線分光法)でできるのは定性分析であり、定量分析ではない。」

「遠心分離」の英語は?―💫―#気になる英語調べ隊 2618

(2025.1.13)

英語で『遠心分離』はcentrifugal separation や centrifugationと言います。

この場合、centrifugal が『遠心力の、遠心力による』の意味になります。
遠心とは「中心から遠ざかろうとすること」で、
そのように働く力が『遠心力』 centrifugal force です。

遠心分離をするための『遠心分離機』は centrifuge と呼ばれます。
centrifuge は『遠心力を作用させる、遠心分離機にかける』の意味の動詞にもなります。

例文です。
The fine particles suspended in this liquid are removed by centrifugation.
Using this centrifuge, particles can be separated faster than by gravity sedimentation.
この液体中に浮遊する微粒子は遠心分離によって除去します。
この遠心分離機を使用すると、重力沈降よりも早く粒子を分離することができます。

「錬金術」の英語は?―🏅―#気になる英語調べ隊 2615 

(2025.1.11)

英語で『錬金術』は alchemy、
『錬金術師』は alchemist です。

The Free Dictionary でのalchemy の説明は、こんな感じです。
1 A medieval chemical philosophy having as its asserted aims the transmutation of base metals into gold, the discovery of the panacea, and the preparation of the elixir of longevity.
訳「中世の化学思想で、卑金属を金に変えること、万能薬を発見すること、不老長寿の霊薬を調合することを目的としていた」

2 A seemingly magical power or process of transmuting
訳「一見魔法のような力、あるいは物質変換のプロセス」

定義はともかく
マンガやアニメで知っている言葉のような気がしますね。

クエン酸の英語は? そもそもクエンって?―🍋―#気になる英語調べ隊 2602

(2024.12.27)

クエン酸は柑橘類などに含まれる酸味成分のことですね。

英語で『クエン酸』は citric acid と言うのです。

では、このクエン酸のクエンは何から来ているのでしょうか?
ラテン語かドイツ語?

実は僕は大誤解していたのですが、これ英語や西欧の言葉が語源ではないのです。
クエンは漢字で書くと枸櫞で、レモンの近縁種の果物(シトロン citron)のことだそうです。
これ、漢語由来なんですね。

知らなかったのは僕だけでしょうか。

クエンって、いかにもカタカナ語みたいに書くから間違えるんだと思うんですけど。

「酸化と還元」の英語は?―🧪―#気になる英語調べ隊 2597

(2024.12.21)

化学用語の『酸化』は英語では oxidation で、『還元』は reduction です。

Oxidation is the process in which a substance loses electrons, and reduction is the opposite process in which a substance gains electrons. These processes always occur simultaneously.
「酸化は物質が電子を失うプロセスで、還元は逆に物質が電子を得るプロセスです。これらのプロセスは常に同時に起こります。」

『酸化還元』という場合には、oxidation-reduction や redox という言葉が使われます。
このうちの redox は、 reduction と oxidation を合わせて短縮したものです。
これだと「還元酸化」の順番になっていますが、まあ語呂が良い言い方が選択されたのだと思います。
(酸化還元の順番にして ‘oxired’ だと発音が難しそうですし、何かの過去分詞形みたいに見えます。)

動詞としては『酸化する』が oxidize、『還元する』がreduce です。

酸化還元は、中学校の理科で習う化学反応の基礎なので
英語の用語も覚えておいてもバチは当たらないと思います。

鉛 lead がやっかいな件―🩶―#気になる英語調べ隊 2565

(2024.11.19)

鉛(なまり)はやっかりなのですよ。

まず、伝統的な和名があり、当然ながら英語名とは全然違います。
英語では鉛は lead です。

この英語名のlead と元素記号のPbは関係ありません。
Pbはラテン語のplumbumに由来するそうです。

その上、
英語名のlead は『導く』の意味の動詞のlead と同じ綴りなのに
発音が違います。
『鉛』のlead の発音記号は léd(レッド)で、
『導く』のleadは líːd (リード)です。

なので、元素記号、和名、英語名が似ても似つかないのに加え
英語名の発音が、同綴りのよく見る単語と発音が異なるわけで・・・。
いろいろ要注意なのですね。

ちなみに
日本語の「鉛(なまり)」は
「なまる」という言葉と関係していて「軟らかい金属」ということから来ているとか。

(元素関係の関連投稿→ここ
(leadの過去・過去分詞がleadedになる場合がある件→ここ