(2021.3.31)
stand the test of time は、
『時の試練に耐える、長く使用される、長年にわたり賞讃される』の意味になります。
ちょっと今が盛りの桜について書きたいと思います。
桜にはさまざまな品種があり、600種とも言われています。この中で、公園や学校の校庭などに多く植えられているのはソメイヨシノ(学名Prunus × yedoensis )です。
このソメイヨシノは遺伝子解析で、母がエドヒガン、父が日本固有種のオオシマザクラの交雑種であり、すべてが単一の樹のクローンであることが分かっているそうです。
この品種同士で結実しても発芽することはなく、他の種類との交配ではソメイヨシノではなくなってしまうので、人の手による接ぎ木などしか増やす方法がないのだそうです。
江戸末期から明治の初期に染井村の植木職人や造園業の人々によって交雑種の中から特徴のある個体が見いだされ育成されたということですが、それ以来ずっと人の手で植えられてきたわけです。今は、日本だけでなく、他の国にも植えられるようになって
今、見られるソメイヨシノは、染井村で見つかった1本の桜にとって、子孫と言うよりは同じDNAを持つ分身なのです。美しさのなせる業ということでしょうが、およそ1.5世紀前に見つかった桜の木がクローンとして受け継がれているのは驚くべきことだと思います。
最初にこの木の美しさに気が付いた染井村の人も、このことを知ったら満足なのではないでしょうか。
ソメイヨシノは時の試練に耐えて、人々を魅了し続けているのです。
Someiyoshino has stood the test of time and is still attracting people.