英語記事で震度6強をどう書いてるか?―📰―#つぶやき英単語 1558

(2022.3.17)

前の記事(→1557)からの続き:
地震の震度は日本独自の尺度なので、
これを英語のニュースでどう扱ってるか少し見てみましょう。

NHK-WORLD Japan の記事では
A magnitude 7.4 earthquake that struck off Japan’s Pacific coast on Wednesday night has left at least three people dead and more than 190 injured.
・・・・
The nighttime quake jolted people awake across much of eastern Japan.
It registered an upper 6 on Japan’s seismic scale of zero to 7.
「水曜日の夜に日本の太平洋岸で起こったマグニチュード7.4の地震で、少なくとも3人が死亡、190人以上が負傷している。
・・・・
夜中に起きた地震は、東日本の多くの地域で人々を驚かせた。
それは、日本の0~7の震度階で6強を記録した。」と書いています。
NHKではマグニチュードと震度を用いており、日本の震度の説明を入れた形の英語になってますね。日本の報道機関の書いた英語記事は、だいたいこんな感じで震度の簡単な説明(7段階あるとか)がついています。

これに対し、BBCの記事では
The magnitude 7.3 tremor struck the same region where a major earthquake triggered the Fukushima nuclear disaster 11 years ago.
「マグニチュード7.3の揺れは、11年前に福島原発事故を引き起こした大地震と同じ地域を襲った。」
とは書いていますが、震度の記述はありません。
外国の他の新聞社なんかも、そんな感じです。
これは震度を書く必要がないというか、読んでいる人が分からないから書かないのだと思われます。書くとマグニチュードと紛らわしいのかもしれません。

ここから得られる教訓ですが、
外国の人と地震の話をする時に、震度(例えば seismic intensity)とだけ言っても理解してもらえないと思われます。
震度使わずにマグニチュードだけで話すか、日本の尺度である震度の説明を交えて話すのがいいのではないでしょうか。

後、余計なお世話かもしれませんが、
日本の気象庁や地震学者の人は、地震の震度を国際的な尺度にするような努力をしたらどうでしょう?
地震の大きさを表すマグニチュードと、ある場所での揺れを表す震度の両方が必要だと思うんですけどね。

お天気お姉さん・女性気象予報士のイラスト




英語で「震度6強の地震」は?―😨―#つぶやき英単語 1557

(2022.3.17)

『震度』というのは、日本独自の単位なんですね。

なので、英語ではseismic intensity とかになるんですけど、
これを説明なしに使うと他の国の方々には理解されず、マグニチュードと混同される可能性が高いと思われます。

Weblio (研究社 新和英中辞典)での解説では、
「日本の気象庁で定めている震度階と、外国で用いられる地震のマグニチュードを示すリヒタースケール (the Richter scale) は同じではない。なお、 Richter の発音は /ríktər/」
と出ています。

Weblioでの例文を参考にすると
「震度6強の地震」は
a tremor with an intensity of 6 upper on the Japanese seven‐stage seismic scale
「日本の7段階地震階級の中で6強の強さの揺れ」
のように説明すれば伝わるはず。

単語の意味としては
seismic:地震の
tremor :震え(体や心の震えにも使われます) です。

地震のイラスト「防災グッズ」

地震、びっくりしました。6強って・・・。
被害も出ているようで心配です。
(日頃からの備えも必要ですね。)

Organization 機関か機構か?―🌏―#つぶやき英単語 1547

(2022.3.7)

国際的な組織の名称で Organization がついたものもいろいろありますね。

ILOと言えば
International Labor Organization 『国際労働機関』です。

この頃ウクライナ情勢のニュースでも出てくるNATO は
North Atlantic Treaty Organization 『北大西洋条約機構』の略称です。
(ちなみに、NATOの読みは日本語だとナトーですけど、英語だとnéɪṭoʊ ネイトーですね。海外のニュースを聞いててよく分かりました。)

🌏

このように、Organization のついた組織名の訳語は「機構」の場合と「機関」の場合が有ります。

これには基準が有って、
国連に関係する組織については、Organizationを慣例的に『機関』と訳しており、それ以外の場合には『機構』とされる場合が多いんだそうです。

国連に関係するUNESCOは、
United Nations Educational,Scientific,and Cultural Organization
『国連国連教育科学文化機関』で、Organization は機関です。

国連関連ではないOPECは、
Organization of Petroleum Exporting Countries
『石油輸出国機構』で、Organization は機構です。

国連関係以外でOrganization を『機構』とするのは、別の単語 Agencyを『機関』と訳すので、これと区別してのことだそうです。

ランサムウェアから取り留めなく―💻―#つぶやき英単語 1542

(2022.3.2)

世界はいろいろと混乱しているようです。

トヨタ自動車の取引先の部品メーカーがサイバー攻撃を受けたという最近のニュースがありました。某国が関係しているのでしょうか。
使われたのが ランサムウェアという手段だそうです。

『ランサムウェア』ransomwareは、相手のデータを人質にして身代金を要求するマルウェア(悪意のあるソフトウェア)のことですって。
(変なメールは開かずに捨てましょう)

ransom が『身代金』という意味なんですね。
この単語の語源は、「買い戻すこと」の意味の古期フランス語だそうです。

💰

ransom に関連して、king’s ransom といえば「王の身代金」ということですが、
『莫大な金』の意味になるそうです。
確かに、王様が人質に取られたら、身代金は大変な金額になるでしょう。

また、King’s Ransom 「キングの身代金」という有名な小説が有ります。
Ed McBainの警察小説「87分署シリーズ」の中の一つで、誘拐事件を扱った話です。

この小説 King’s Ransom を、日本映画界の巨匠 黒澤明監督が映画化しています。
その映画の題名が「天国と地獄」です。
身代金 ransom の受け渡しのシーンが映画に出てきます。
(出演者は三船敏郎、仲代達也、山崎努・・・・)

この黒澤映画「天国と地獄」の英語タイトルは High and Low です。

で、このHigh and Low ですが・・・・

世界の混乱の前に、僕の書いてることの方が取り留めなくなってきたので
今日はこの辺で。

オーバーヘッドキック―⚽―#つぶやき英単語 1541

(2022.3.1)

サッカーのオーバーヘッドキックは、漫画の必殺技のような特別感が有りますが、現実の試合でも時々見られます。
頭の上にボールを宙返りのように足を跳ね上げて蹴るアクロバティックな技術ですね。

英語で『オーバーヘッドキック』のこと、
そのまま overhead kick とも言うみたいですけれど
bicycle kick や scissors kick の方がよく使われるかもしれません。

bicycle は自転車で、scissors はハサミなので
蹴る時の姿勢がこれらに似ているからbicycle kick や scissors kick と言われる訳ですね。
(細かく言うと、同じオーバーヘッドでも、bicycle とscissors は足の使い方や形が少し異なるかもしれませんが)

以前、イギリスのレスターでプレイしていてオーバーヘッドキックで得点したことのある岡崎慎司選手が、今はスペインのカルタヘナというチームでプレーしており、最近の試合でもオーバーヘッドキックでゴールを決めました。
Shinji Okazaki, who used to play for Leicester in England and had scored with a bicycle kick, is now playing for a team called Cartagena in Spain and scored another bicycle kick goal in a recent game.

彼の情熱と献身が、このような美しいゴールを呼び込むのだと思います。
そして、ゴール後の彼の笑顔は見ている人にも幸せの意味を教えてくれるような素晴らしいものです。
I think it is his passion and dedication that brings about such beautiful goals.
And his smile after the goal is so wonderful that it teaches the meaning of happiness to anyone who sees it.

(岡崎選手のシュートは、scissors kick というよりは bicycle kick という方がふさわしいかもしれません。)

→関連投稿:岡崎選手のことを前にも書いています。


Molotov cocktail は何?―🍸―#つぶやき英単語 1539

(2022.2.28)

お酒のカクテルがお好きな方もいらっしゃるでしょうが、
Molotov cocktail はちょっと手が出しにくいと思います。
これで『火炎瓶』という意味ですから。

🍸


この言葉の語源はというと、第2次大戦中にフィンランドに侵攻した時に、
フィンランド兵がソ連の戦車をを攻撃するのに火炎瓶を用いて、これを当時のソ連外相 Vyacheslav Mikhailovich Molotovの名にちなんでMolotov cocktailと呼んだからという説があります。

🇫🇮

それから70年後の現在、
このMolotov cocktail という言葉がニュースで使われています。

例えば、Los Angels Times (FEB. 26, 2022)の記事タイトルはこんな感じです。
Kyiv civilians take up arms — and mix Molotov cocktails — to fight Russian attack on Ukraine
「キエフの市民が武器を取り、火炎瓶を混ぜ、ロシアのウクライナ攻撃に対抗」

🇺🇦

歴史は繰り返すということなんでしょうか。
今回のロシアのウクライナ侵攻で、首都キエフの市民が火炎瓶 Molotov cocktail を作っているのはニュース映像にもなっていました。

何とか普通の人たちが犠牲にならないように、
この問題が早く解決されることを祈ります。

 

 

SWIFTって何?-💶-#つぶやき英単語 1538

(2022.2.27)

ロシアのウクライナ侵攻に対する制裁のニュースでSWIFTという言葉が出てきています。
スズキ自動車の車種名にも有ったような気がしますが、もちろんそれとは違うやつです。

これは略語で、頭字語(initialism)というやつですよね。
こういう略語を見かけたら元が何なのか探らないと、「気になる英語調べ隊」とは言えません。

今日の言葉:
SWIFT=Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication
「国際銀行間通信協会」の略称です。

SWIFTは、国をまたぐ貿易などの決済や送金用のシステムで、ロシアの銀行がこれから締め出されると、ロシア経済は打撃を受けることになります。
この制裁措置で、天然ガスや穀物などの貿易が滞る可能性があり、他の国にも影響が及びます。

🏧

この措置に関し、イギリス首相がツイートしています。
”We have taken decisive action tonight with our international partners to shut Russia out of the global financial system, including the important first step of ejecting Russian banks from SWIFT.
We will keep working together to ensure Putin pays the price for his aggression.”
「今夜、我々は国際的なパートナーとともに、ロシアの銀行をSWIFTから排除するという重要な第一歩を含めて、ロシアを世界の金融システムから締め出すための断固とした行動をとった。
我々は、プーチンが侵略の代償を払うことを確実にするために協力を続けるだろう。」

この制裁措置や世界中の反戦の世論で、ロシアが早急に方針を転換することを願います。

僕のウクライナ問題―🇺🇦―#つぶやき英単語 1535

(2022.2.24)

Russia launches military action in Ukraine
「ロシアがウクライナで軍事行動開始」
    NHK WORLD-JAPAN のニュースタイトル

なんかウクライナは大変な状況になっているようですね。びっくりしました。
このウクライナの問題、始めてしまった争いを収めるのはなかなか難しそうですが、
何とか平和的に解決できたらいいと思います。

🇺🇦

僕に関する問題としては、
Ukraine はもちろん日本語で『ウクライナ』なんですけれど、
その英語の正しい発音を理解していなかったことです。

英語のニュースを見て、
Ukraine の発音はカタカナで書けば「ユークレイン」に近いとわかりました。
(発音記号だと juːkréinです。)

『ウクライナの』や『ウクライナ人、ウクライナ語』は、英語ではUkrainian です。
この発音も、「ユークレイニアン, juːkréiniən」ですね。

まあ、英語が正しくて日本語が間違っているということでもありません。
ウクライナ語で『ウクライナ』の意味のУкраїнаの発音は、「ウークライーナ」のようなので、むしろ英語よりは日本語の方に近い感じですから。

🇺🇦

ウクライナ情勢の方は、NATO加盟国の動きなども気になるところですが、
このNATO(北大西洋条約機構)も英語発音は「ネイトー, néɪṭoʊ」みたいな感じです。


英語で「建国記念の日」は?-🇯🇵-#つぶやき英単語 1521

(2022.2.11)

今日、2月11日は『建国記念の日』ですね。
英語では National Foundation Day ですと。

foundationが『創立、設立』の意味になりますね。 

建国記念日じゃなくて建国記念の日なんですよね。
「の」の微妙なニュアンスは、この日が近代的な意味で日付の確かな記念日ではないということから来ていると思います。

Wikipedia の英文での説明を引用させていただきます。
National Foundation Day February 11
This national holiday was established in 1966 (and first held in 1967) as a day to reflect on the establishment of the nation and to nurture a love for the country. From 1872 to 1948, February 11 was known as Kigen-setsu (紀元節), a holiday commemorating the day on which—according to the Nihon Shoki— the legendary Emperor Jimmu is said to have acceded the throne in 660 BCE.

訳はこんな感じです。

建国記念の日 2月11日
「この国民の祝日は、建国をしのび、国を愛する心を養うための日として、1966年に制定された(1967年に初実施)。1872年から1948年までは、2月11日は「紀元節」として知られ、日本書紀により伝説的な神武天皇が即位したとされる日(紀元前660年)を記念した祝日であった。」

これは、長い歴史の所以ということでしょうね。
何にしても、人々が紡いできたこの国の歴史や伝統を尊重することは大切なことだと思います。

(とりあえず、今日は祝日で良かった。仕事に出かけないから、昨日の雪で道が凍結してるとか心配しなくていいし。)

英語で「既得権益」は?―💰―#つぶやき英単語 1506

(2022.1.27)

『既得権益』というのを英語で何というかご存知でしょうか?

最近、覚えたのですが、
vested interest と言う言葉が『既得権益』に当たるようです。

💰

interest という単語は『興味』『利息』なども意味しますが、ここでは『権益、利害関係』の意味になります。

また、vested は『既得の』を意味する形容詞で、
『(権利・財産などを)与える』の意味を持つ動詞 vest の過去分詞とも言えます。

古い英語として、動詞のvest には『(司祭に)祭服を着させる』の意味があって、このことが権利を与えるという意味につながっているわけですね。
この vest の語源は「衣服」の意味のラテン語だそうです。
(名詞のvest には、袖のない上着『ベスト、チョッキ』の意味があります。)

🇦🇺

ラグビーの パナソニックワイルドナイツ の選手だったDavid Pocock さんのサイトを見たら、vest interest 既得権益という言葉が以下のように使われてました。

Drive policy on behalf of people – not vested interests
「既得権益者ではなく人々の代表として政策を推進」

I’m running for the Senate in Canberra at the next election. 
「次に選挙ではキャンベラで上院議員の立候補する」
とも書いていますから。Pocockさん、選挙に出るんですね。

Pocockさんは既に地球環境とか人権のことで進歩的な立場で活動しており、
政治の世界を目指すのは自然な流れかもしれません。
有権者でもないので軽々しくは言えないのですが、
ワイルドナイツのフォンとしては陰ながら応援したいと思います。

🏉

Mr. Pocock, an ex-Wild Knights player, would be able to break through the vested interests of the political world with the passion and dignity he has cultivated in rugby.
元ワイルドナイツのポーコックさんなら、ラグビーで培った情熱と品位で政治の世界の既得権益を打ち破れるでしょう。