(2020.5.9)
コロナの 緊急事態は続いて、僕の関連ボキャブラリーも増えてきてます。
サイトカインストーム(cytokine storm)という現象がCOVID-19の重症化に関わっていると、TVのワイドショーでも説明してますね。
cytokine をOxford英英辞典で調べると、こんな定義になっています。
cytokine NOUN Physiology
Oxford dictionary
Any of a number of substances, such as interferon, interleukin, and growth factors, which are secreted by certain cells of the immune system and have an effect on other cells.
「cytokine サイトカイン:(名詞、生理学)インターフェロン、インターロイキン、成長因子など免疫系の特定の細胞から分泌され、他の細胞に影響を及ぼす種々の物質のいずれか。」
cytokine storm のWiktionaryでの説明はこんなです。
An immune system–cytokine positive feedback reaction to certain infections and certain drugs, which occurs when large numbers of white blood cells are activated and release inflammatory cytokines, which activate more white blood cells.
Wiktionary
「(病理学)特定の感染症や特定の薬剤に対する免疫系サイトカインのポジティブフィードバック反応。大量の白血球が活性化されて炎症性サイトカインが放出され、さらに多くの白血球が活性化されることで起こる。」 なんか難しい。
要するに、免疫系を活性化するcytokineが過剰に放出されることで、自分の臓器組織を攻撃する、免疫の暴走のような現象が起こるんですね。免疫作用に必要なcytokineも、「嵐」のように出しまくったら、自分の体が危ないということです。
(過ぎたるは及ばざるが如し= Too much is as bad as too little. なんだな。)
このcytokine storm を抑えるタイプの薬剤が、重症のコロナウィルス感染症の治療薬として試されています。
抗リウマチ薬(anti-rheumatic drug)であるアクテムラ(ACTEMRA)がそれです。実はリウマチもインターロイキン(IL)-6などのcytokine が過剰に放出されて起こるとされており、アクテムラはそのIL‐6の働きを抑えるよう作用します。これでコロナのcytokine storm も抑えられれば、重症の患者さんが救われると期待されます。
アクテムラの治験(clinical trial) は大変な仕事だと思いますが、中外製薬さん、病院や関係機関の方、そこのところは迅速かつ確実に進めていただくよう、よろしくお願いします。