(2021.3.29)
「所変われば品変わる」なんてこと言いますけれど、
使われる場所・場合によって言葉の意味というのもいろいろ変わるものです。
strain は、ラテン語 stringere 「強く引っぱる」に由来する言葉で、
動詞なら『引っぱる』、名詞なら『張り、緊張』などが一番基本的な意味になります。
引っ張るのイメージから、
『(体の一部を)精一杯働かせる』: strain one’s voice 声を振り絞る
『精いっぱい努力する』:strain oneself
『(無理をして体などを)痛める』:
I strained my eyes by overusing of PC. PCの使いすぎで目を痛めた。
のような表現にも使われます。
これが、材料工学の分野だとstrain は『ひずみ』という用語に相当します。
材料の引張試験時の stress-strain curve は「応力―ひずみ曲線」です。
また、料理など液体を扱う場合には、
strain には『(液体を)濾す』『(かすなどを)濾して除く』という意味にもなります。
Strain the soup to make it smooth. 滑らかにするためスープを濾してください。
のように使えます。
strainer 『漉し器、ストレーナー』というのも、ここから出てきているわけです。
加えて、生物や病原菌や家柄などという話題に関しては、
『種族、血統、家系、(生物の)系統』の意味のstrain もあるんです。
これは『引っ張る』のstrain とは語源も違うそうです。
(「出産、子孫」などの意味が有る古語英語のstrion, streon に由来し、「引っ張る」のstrain の影響を受けて、同じつづりと音になったらしいのです。
詳しくは https://www.etymonline.com/word/strain)
A new strain of coronavirus has spread widely.
「新種のコロナウィルスが広く拡散してしまった。」
などのようにも使われます。
まあ、いろんな意味が有るということは、何度もおいしいってことですよね。