Omicron ? It’s Greek to me ! ―🇬🇷―#つぶやき英単語 1464

(2021.12.5)

Omicron? It’s Greek to me!
「オミクロン? 私にとってはギリシャ語だ(=さっぱり分からない)」  

新型コロナウィルスの変異株Omicron は心配な話題ですが、まだよく分かっていない段階なので、慎重かつ冷静に対処すべきと思います。
今回の変異種の名前に使われるだけでなく、ギリシャ文字 は専門用語や各種名称でいろいろ使われています。
でも、英文の中でもギリシャ文字が出てくると読み方が分かんなくなったりします。
ちょっとその辺を含めてギリシャ文字について整理してみました。

Omicron, a variant of the new coronavirus, is a worrisome topic, but I think it should be handled with caution and calmness, as it is still not well understood.
Greek letters are used in many ways, not only in the name of this variant.
However, when Greek letters appear in English text, it can be confusing to read them.
The following table summarizes the Greek letters.

・ギリシャ文字のまとめ  Summary of Greek letters

大文字
Uppercase
小文字
Lowercase
英語表記
English
日本語
Japanese
使用例
Examples of use
Ααalphaアルファα-ray (アルファ線)
Alfa Romeo(イタリアの自動車ブランド)
Ββbetaベータβ-ray (ベータ線 )
beta version (ベータ版)
Γγgammaガンマγ-ray(ガンマ線)
γ-GTP(γ-glutamyl transpeptidase :肝機能の数値)
ΔδdeltaデルタDelta variant(デルタ株:COVID-19変異種)
Nile Delta (ナイル川三角州)
ΕεepsilonエプシロンEpsilon rocket (JAXAの固体燃料ロケット)
ε :  strain (ひずみ)
ΖζzetaゼータΖ GUNDAM  (ゼータガンダム)
Ηηetaエータ 
Θθthetaシータθ: angle  (角度)
Ιιiotaイオータ 
ΚκkappaカッパKappa (イタリアのスポーツウェアブランド)
Λλlambdaラムダλ:wavelength(電磁波の波長)
Μμmuミューμ:friction coefficient (摩擦係数)
Ννnuニューν:Poisson’s ratio(ポアソン比)
Ξξxiクシィ 
ΟοomicronオミクロンOmicron variant (オミクロン株:COVID-19の変異種)
Ππpiパイπ:Pi=ratio of the circumference of a circle to its diameter (円周率)
π–meson(パイ中間子)
Ρρrhoローρ:density(密度)、electrical resistivity (電気抵抗)
Σσsigmaシグマσ:standard deviation (標準偏差)
Ττtauタウτ:shear stress (せん断応力)
Υυupsilonウプシロン 
ΦφphiファイΦ: magnetic flux(磁束)
Phi meson(ファイ中間子)
Χχchiカイχ2-distribution(カイ二乗分布)
Ψψpsiプサイ 
Ωωomegaオメガω:angular velocity(角速度)
Ω:symbol of the unit of resistance ‘ohm’  (電気抵抗の単位オームの記号)
⌚

このオミクロン株のことで知ったのですが
omicron の語源はギリシャ語の「小さな(micron) o」で、
反対に omega は「大きな(mega) o」から来ているんですってね。
(あ、OMEGAの欄にはスイスの時計ブランドというのも書いておけばよかったかな)

建築現場の「足場」は英語で何?―🗼―#つぶやき英単語 1434

(2021.10.8)

ビル工事などで使う『足場』はscaffoldというんですね。

scaffold は動詞でも使えて『(建物に)足場を設ける』の意味にもなります。
scaffolder なら『足場職人』です。

🏙

で、足場なんですけれど、特に高いところに設置されたのを見ると、
それだけで高所恐怖症がうずくというか、何か足元がすーすーするような気がします。

It’s impossible for me to work on a scaffold set up on top of a skyscraper.
I’m not a scaffolder,
「高層ビルの上の足場で仕事をするのは僕には無理。足場職人じゃないし。」
ホントです。

mortar は?―🏰―#つぶやき英単語 1405

(2021.8.19)

化学や薬学の実験で使う『乳鉢』は、英語では mortar と言います。
同様に『すり鉢、小臼』も mortar と呼ばれます。
(ついでに言うと、
この mortar と組み合わせて使われる『乳棒、すりこ木、杵]は pestleです。)

🏛

mortar は建物の壁に塗ったりする『モルタル、漆喰』の意味でも使われます。
これらの原料の石灰などを砕いたり練ったりするのに臼のような道具 mortar を用いたことから、こう呼ばれると考えられています。

また、mortar には『迫撃砲、臼砲』の意味も有ります。
臼砲という古いタイプの砲は、言葉の通り臼 mortar にそっくりの形であったため、この名前が出来たとらしいです。現在の迫撃砲となると、もっと筒のような形に進歩していますが、名前だけは臼砲の時から引き継いでいるわけです。

まあ、同じ単語でもいろいろな意味になるということです。
私としては、武器の意味のmortarをニュース記事で見かけるようなことが
無くなるといいなと思います。
(この頃のAfghanistan 情勢などを見ると、まだまだ安定した世界とは平和な世界とは程遠い感じがします。)

aqua regia ? 何それカッコいい―💧― #つぶやき英単語 1359

(2021.5.2)

aqua regia は『王水』です。
(発音は άːkwə ríːdʒ(i)ə)

語源は「王の水」の意味のラテン語だそうです。

💧

Collins English Dictionary でのaqua regia の説明は次の通りです。

a yellow fuming corrosive mixture of one part nitric acid and three to four parts hydrochloric acid, used in metallurgy for dissolving metals, including gold

「硝酸1と塩酸3~4の混合物で、金を含む金属を溶解するために冶金学で使用される黄色の発煙性腐食性物質」

nitrohydrochloric acid 硝塩酸とも言います。

これ、金属材料の組織観察用エッチング液としても使われています。
というか、僕はけっこうお世話になってます。

🏅

王水 aqua regia は金や白金などの貴金属を含む多くの金属を溶かすことができるため、
錬金術師 alchemist がこのように命名したらしいです。

aqua regia のかっこいい語感は、古の錬金術 alchemyの残り香なのかもしれません。
(中二病の香りかもしれないけれど。)


このごろ注目のALPSは何の略?―☢―#つぶやき英単語 1352

(2021.4.17)

最近のニュースで原発事故の汚染水の処理設備 ALPS というのが出てきてますが
こういう略語を見ると、何の略なのか気になりませんか?(僕だけ?)

ALPSは Advanced Liquid Processing System の略だそうです。
これは直訳なら「高度液体処理システム」のようになるのでしょうが、
日本語で書かれる場合は『多核種除去設備』となっているようです。

☢

ALPSは、原発の汚染水から多種の放射性元素を取り除く機能を持つ設備です。
ただ、これでも三重水素=トリチウム(tritium)だけは除去できないとのこと。

福島原発の汚染水をALPSや他の装置で処理して、トリチウム以外の元素を除去し、
トリチウムも基準以下に抑えて海に放出することを決定したというのがニュースになってたわけですね。
いろいろご意見はあるでしょうが、
現状の技術でできる限りのことはやったという感じじゃないでしょうか。

ついでに言っておくと
トリチウムとトリウムは全く別物ですからね。
 トリチウム: tritium 質量数 3の水素の同位体です。
トリウム: thorium 原子番号90、原子量 232.0381の元素で金属です。
一字違いで、チワワとライオンぐらい違う感じです。

roller coaster は?―🙀―#つぶやき英単語 1282

(2020.12.7)

ちょっと前にMerriam-Webster Learner’s Dictionary のWord of the day に
roller coaster が取り上げられてました。
『ジェットコースター』のことですね。

ジェットコースターは和製英語だそうで、
roller coaster をなぜこう呼ぶようになったかの方が不思議です。
(昔、後楽園遊園地にあったroller coaster がジェットコースターと命名されて、
その名前が一般化して広まったと、Web情報有り。)

🙀

roller coaster は比喩的に『起伏の激しい変化』を意味することが有ります。
日本語でも「ジェットコースターのような」とか言いますもんね。

僕のお手製の例文です。
 🙈 Our society has been on a roller coaster because of COVID-19.
   Covid-19のせいで私たちの社会は急激な変化の中にいる。
  (何とか落ち着いてせいかつしたいんですけどね。)

NCISで聞いたルーフィードは?-😴-#つぶやき英単語 1247

(2020.9.30)

ドラマNCISのシーズン16見てたら、「ルーフィード」という言葉が聞き取れて、
状況から薬を盛られたようなことなんですけど、こんな単語知らないじゃないですか?

「気になります」


しょうがない。
自称ながら、気になる英語調べ隊 隊長だから、こういうのは調べないと。

どんなスペルか・・・・。

サムネイル画像

有りました、roofie ですね。

roofie は、俗語でフルニトラゼパム(flunitrazepam 睡眠導入剤)のことですと。
Rohypnolのブランド名で知られているので、その発音からroofieになったらしいです。

ただ、いくつか辞書見たんですが、動詞で使われるとは書いてないんです。

でも確かに NCISのBishop特別捜査官が roofied と言ってたんです。(過去分詞形ですよね。)
だから実際に、roofieという言葉には『睡眠導入剤フルニトラゼパムで眠らせる』の意味が出来ちゃってるんだと思います。

舗装道路の丸いやつ ⚪ #つぶやき英単語 1205

(2020.7.5)

歩いてると、舗装道路のそこここに丸い切れ込みみたいなのがあるのに気が付きます。(下向かない人は見たことないかもしれないけど。)

直径10cmくらいかな。これは何?

🐥

これは舗装のコア抜き検査の痕ですと。コア抜きは、英語では coring です。舗装は pavement なので、pavement coring とも言うようです。

要するに、あの丸いのは、舗装の厚さや密度などね品質を調べるために、円柱状のサンプルを取った痕なんです。

coring するのは 外周に刃があって中空の工具を使う pavement core drilling machine 舗装コアドリルマシンを使うとのことです。

サンプル抜いた後の舗装は、アスファルトなどで穴を埋めるんですが、どうしても痕は残るんですね。

🐥

考えてみるて、あの丸い痕の分だけ、舗装のテストしているわけですね。キチンと作られた道路だという印と言ってもいいかもしれません。

見上げれば transformer ! -🙊-#つぶやき英単語 1183

(2020.5.12)

道で上を見上げると、かなりな確率でtransformerが見えるんですよ。

電柱の上に『変圧器』が有りますね。あれが transformerです。

『柱上変圧器』pole transformer というタイプです。

transformers

変圧器 のこと、カタカナで『トランス』とは言いますね。電気器具とかの電源部とかにもついてます。でも、略さないでトランスフォーマーというのは、あまり使われない気がします。

というか、カタカナでトランスフォーマーなら、子供番組というか、おもちゃ屋さん関係というか、いろいろ形が変わるロボットのこと思い浮かべちゃう人が多いかも。

電柱の上のあの機械もtransformerなんだから、人が見てないところではロボットに変身してたりするのかもしれませんが。
(そんなわけないか)

コロナ関連: サイトカインの嵐―😷-#つぶやき英単語 1182 

(2020.5.9)

コロナの 緊急事態は続いて、僕の関連ボキャブラリーも増えてきてます。

サイトカインストーム(cytokine storm)という現象がCOVID-19の重症化に関わっていると、TVのワイドショーでも説明してますね。

cytokine をOxford英英辞典で調べると、こんな定義になっています。

cytokine NOUN Physiology
Any of a number of substances, such as interferon, interleukin, and growth factors, which are secreted by certain cells of the immune system and have an effect on other cells.

Oxford dictionary 

「cytokine サイトカイン:(名詞、生理学)インターフェロン、インターロイキン、成長因子など免疫系の特定の細胞から分泌され、他の細胞に影響を及ぼす種々の物質のいずれか。」

cytokine storm のWiktionaryでの説明はこんなです。

An immune system–cytokine positive feedback reaction to certain infections and certain drugs, which occurs when large numbers of white blood cells are activated and release inflammatory cytokines, which activate more white blood cells.

Wiktionary

「(病理学)特定の感染症や特定の薬剤に対する免疫系サイトカインのポジティブフィードバック反応。大量の白血球が活性化されて炎症性サイトカインが放出され、さらに多くの白血球が活性化されることで起こる。」 なんか難しい。

要するに、免疫系を活性化するcytokineが過剰に放出されることで、自分の臓器組織を攻撃する、免疫の暴走のような現象が起こるんですね。免疫作用に必要なcytokineも、「嵐」のように出しまくったら、自分の体が危ないということです。
(過ぎたるは及ばざるが如し= Too much is as bad as too little. なんだな。)

このcytokine storm を抑えるタイプの薬剤が、重症のコロナウィルス感染症の治療薬として試されています。

抗リウマチ薬(anti-rheumatic drug)であるアクテムラ(ACTEMRA)がそれです。実はリウマチもインターロイキン(IL)-6などのcytokine が過剰に放出されて起こるとされており、アクテムラはそのIL‐6の働きを抑えるよう作用します。これでコロナのcytokine storm も抑えられれば、重症の患者さんが救われると期待されます。

アクテムラの治験(clinical trial) は大変な仕事だと思いますが、中外製薬さん、病院や関係機関の方、そこのところは迅速かつ確実に進めていただくよう、よろしくお願いします。